Mar 22, 2010
愛車を廃車するほど悲しいことはない
車は人ごとに思い入れがある。私も今の車が大好きで、あれば廃車と思わないくらいの思い入れです。しかし、自動車も寿命である。その時は廃車です。しかし、寿命を迎えて、廃車になってしまう悲しい事例も少なくない。事故である。最高の車がやや契機に廃車になってしまう。何悲しいことだ。今の愛車を決してそのような別れ方のみと思わない。ゴールド免許を持っている人は、自動車保険料が割引される制度が多くの保険会社にしている。交通事故を引き起こす可能性が低いドライバを判断している。ところが、このゴールド免許を取得するためには免許証の点数、私は大きく懸念される。交通事故違反等、過去3年間の累積点数が基準に達すると、処分が行われていない事故のない違反ならゴールド免許になる。
50代社員の評価は概して、マイナスイメージがつきまとう。「給料の割に成果が少ない」「管理職としてホントに仕事しているの?」など若手からみても経営層からみても分が悪い年代だ。一方、50代社員の言い分もある。「30年も会社に貢献し頑張ってきたし、会社のリストラ時期も支えてきた。それなのに賃金は頭打ち、役職定年や、給料半額の再雇用制度とは一体会社は何を考えているのか?」と。
どうしたらそんな50代ミドルを輝かせ、前向きに企業貢献させることができるのか。いずれにしても企業は50代社員を60歳の一次定年まで、そして法的にはその後も65歳まで雇用せざるを得ない。しかも人件費コストは若年層の倍はかかる。豊富な経験と能力を持つこの層を活用しないのはあまりにもったいない。若年者の採用が進まない中、この50代ミドル層をいかにして経営活動に貢献させるかが、企業の生産性を大きく左右する時代になっている。50代ミドルを会社の“人財”として輝かせ続けるにはどんな処方せんがあるのか。本稿の連載を通じ、人事・キャリアコンサルタントの目を通して見た現場の実感を中心に、読者の皆さんとこの問題を考えたい。第1回は50代のキャリア開発支援がなぜ必要かを考える。
●70歳まで元気にはたらく=「70歳生涯現役社会」が現実味を帯びてきた
少子高齢化の進行が止まらない。不況が長引く中、企業の採用抑制が続き、人手不足を派遣社員の正社員化や中高年世代の雇用延長で補おうとしている。いや、現実にはこの先10年、20年を見た場合、企業を一度引退した人の7割・8割が再び働かなければ生産人口がまかなえないといわれている。少子高齢化を補完する労働力として、高齢者や女性のパワーが改めて注目されている。
わが国の人口の平均年齢は45歳だそうだ。人口構造からみて、かつてのように若年社員が大量に企業に採用され、ピラミッド状の年齢構成の組織を作ることは無理だろう。今後増え続けるミドル・シニア層を活性化し、企業活動に有効活用することが、生産性と収益向上に結びつけるための現実的取り組みとして必要だ。また、年金の支給開始年齢が引き上げられ給付額も減額必至の中、65歳までの雇用が義務付けられているが、自分の生活は自分で守り、70歳まで働く、そんな生涯現役社会が到来しようとしている。
●キャリアショックの連続に直面する50代
われわれ働く者は、思い描いていたことが全く違っていたり、当然続くと思っていたことが断絶してしまったりした時、大きなキャリアショックを受ける。20代では入社前の職場のイメージと、現実の職場や仕事とのギャップによるショックが起こりやすい。30代は昇進の差異や能力不足への焦り、40代は仕事の重圧と昇進・昇格への限界の実感がこれに当たる。50代になるとこれらに加え、さらに役職定年、定年後の不安など大きなショックが一気に負担となって圧しかかる。
50代は昇進・昇格の余地のある人は限定的となり、多くは現職維持になる。50代前半から役職任期制・役職定年制がしかれ、原則、能力・実績の有無にかかわらずその職位を退く。そしてほどなく、定年退職か雇用延長かの選択が50代後半で訪れる。新しい仕事や職場では、年下の管理者が上司となる。
まさに『キャリアの下降と離脱』の時期だ。組織の若返りとフラット化の影響を直接受けるのがこの年代である。多くの企業が高齢化に直面しているが、中高年を活性化する経営やマネジメント施策はまだ確立されていない企業がほとんどだ。このキャリアショックをどう乗り越え、意欲を持って働いてもらうかが鍵だ。これは経営の問題であり、個人の問題として放置はできない。この50代層を“お荷物”にしないよう活気づける組織的支援が必要である。
●50代ミドルの存在感とは=その評判と期待を問う
キャリアステージ的にはさまざまなキャリアショックの時期を迎える50代。50代は企業の個人に対する期待の二極化が最大になる時期でもある。社長・役員もいれば、課長・主任クラスもいる。あえて二分すれば、トップマネジメントや技術開発を担う少数の「マネジメントリーダー期待層」と、多数の専門職プレーヤーや役職定年等でリーダーを降りた「実務成果期待層」に分かれていく。多くの50代が『キャリアの下降と離脱』(E・シャイン)に直面しながら、企業の専門職やプレーイングマネジャーなど「ベテラン社員」として頑張っている。その存在感をそれぞれの立場からとらえたのが図表1だ。
一目で感じることは、50代の自己評価と周囲や経営層から見た他者評価に、その存在感の受け止め方に大きなギャップがあることだ。
これらを眺めると、50代社員の活用上の課題も浮かびあがってくる。それらを課題のキーワードにまとめると次の諸点になろう。そのまま強みとして活用できるものと、やや修正を加えて活用するものと、根本的に意識・態度を改めて“自己再生”的取り組みが必要なものがあることに注意したい。
強みとして活用できるもの
1.自信の根源:過去の成功体験と企業貢献してきたという感覚
2 . 自己の存在感:責任感の強さ、達成意欲、忍耐力
3 . 自己の能力感:経験領域の仕事、人間関係には有能感をもっている
4 . 対組織感:染込んだミドルマネジャー感覚、任せてくれれば影響力の発揮もできる
課題とすべきもの
1.チャレンジ意欲:経験領域にこだわり新しいチャレンジを恐れる
2 .自信・プライド:人に影響力を行使できるときは良いが、部下から素直に学べない
3 .確立された仕事流儀:仕事スタイルが確立されており、新しいネットワーク的な仕事の進め方や、ソフトなコミュニケーションによる意思決定についていけない
4.自己の生かし方:公式の肩書き・権威・指示による仕事スタイルから、肩書きを外した時
の仕事の進め方、自己の生かし方を学ばないと孤立する
●もったいない30年の経験
大きな問題は、一部のマネジメントリーダー層を除いて、この50代社員をうまく活用できないことだ。その大きな原因の1つが、役職定年制度、年功給の是正、再雇用制度等の各種施策とその運用だ。これらの制度が本来の50代の元気やキャリア活用を阻害する「逆機能現象」を引き起こしている。
そこにある問題は65歳まで雇用され、働く場を確保するために、豊富な経験と能力がありながら、「気楽な働き方」に甘んじる人が多いことだ。このことが50代社員に対するイメージとして、若年層から怨嗟のまとになる悪いモデルにもなる。
最近はさまざまな見直しが加えられ始めたようだが、役職定年や再雇用制度には一律的な運用ではなく、組織課題解決に直結する魅力的な仕事や個人の希望や能力を反映したポストづくり、また個人の仕事成果を評価する仕組みが考えられてよいと思う。50代社員を消極的に活用するのではなく、50代ミドルの活用の底上げを図るような取り組みが欲しい。
●50代に求められる変化への対応と企業が支える仕組みの検討
この稿の最後として50代社員に求められる変化への対応と企業としてこれを支える仕組みを検討しておこう。まず、この時代の変化を受けとどめる50代社員は自分のキャリアや人生についてどのような意識と行動を取るべきなのか。下記の図表2を参照されたい。50代は役職定年等を折り込むと立場・役割は前半と後半で大きく変化する。端的に言えばマネジャーからプレーヤーに戻り、報酬も段階的に減少する。キャリア支援上、大事なことは保有能力と発揮期待スキルだろう。
かつて入社以来、現場実務能力、マネジメント基礎能力、戦略・組織管理能力と職位上昇に伴って育成・蓄積されてきた能力が、一転、この時期からまたプレーヤーとして現場実務能力が重視される。一人の50代社員を雇用維持のために使うか、高度専門力の保持者として活用するかで成果は全く違ってくる。活用の方向性は、50代のキャリアを“ビジネスプロフェッショナル”の域まで育て上げることだ。そのような、現状の課題を理解した上で、最後に企業として、今後の50代のキャリア支援を考える枠組みを提示しておこう。そのポイントは次の3つだ。
1. 50代社員に対する前向きな活用ビジョンとトップ・組織期待の明示
2. 50代社員の雇用維持および活力増進に向けた施策作りとキャリア再開発の施策の実施
3. 50代社員の活用に対し経営サイド・現場管理者・職場が一体として支援する職場環境作り
以上、50代社員のキャリア開発支援の必要性となる背景やその課題を考えてきた。次回は50代を積極的に生かす前提として、そのキャリア意識や現実適応など50代社員の実像について考えてみたい。【片山 繁載(日本マンパワー)】
(ITmedia エグゼクティブ)
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